レビュー

[レビュー] Keychron Q3 HE ゲームに使えるキークロンの決定版

Keychron Q3 HE レビュー

一番いいものか、一番安いものか。何か物を買うときの基準として重要だと思っているが、今回その基準の餌食になったのが、メインで使っているキーボードだ。

キーボードに強いこだわりはなかったが、”どうせ買うならいっちゃんええやつ”の精神で超高いキーボードを買ってしまった。この精神性のおかげで財布はスッカスカだけどまあよしとしよう。

普通のキーボードを使っていた人が高級キーボードを使ってみてどう感じたのか、本当にその価値を感じているのかを解説する。

マイキーボード遍歴

まず私のキーボード遍歴だが、キーボード沼の住人では無く、何も大したことはない。
大学時代にSurface Bookを手にし、当初はペチペチキーボードで満足していたがPCゲームを始めたことで“Corsair K70 MK.2 SE”を購入。↓これね

Corsair K70 MK.2 SE
私の元メインキーボード

「メカニカルキーボードって、“キーボード使ってる感“あっていいじゃん!」
と当時大学生の私は大満足。そこから社会人になっても同じキーボードを使い続けてきた。

HHKBやリアルフォースは触ったことはあるが、所有したことはない。
そのレベルの素人がいわゆる高級キーボードであるKeychron Qシリーズを手にするとどうなるのか?

Keychronとは

まずKeychron(キークロン)の紹介から。
Keychronは2017年に香港で設立された会社で、キーボードに強いこだわりのあるメンバーが高品質なキーボードを設計、販売している。
いわゆる高級キーボードに興味がある方、または沼の住民なら一度は聞いたことがあるはずだ。

かくいう私もずっと前にネットサーフィンしている時に発見して、「なんか新しいメーカーあるんだな〜」と思っていた。

例えばこういう変な形状(Alice配列というらしい)のキーボードを売っている。

すごい価格帯のキーボードがあるもんだと感心していたが、見ているうちに欲しくなってきてしまう。

購入したキーボード Keychron Q3 HE

ということで、”いっちゃんええやつ”ポチってしまった。

KeychronのQシリーズ、その最上位モデルQ Maxをベースに磁気スイッチを搭載したテンキーレス80%キーボード。Keychron Q3 HE。

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Q3 HEの内部構造

基本設計は下画像のQ Maxを踏襲しているが、スイッチの変更でキータッチや機能性に差が出ている。また基盤の変更により内部のラテックスシート=吸音材の形状が変更されるなど細かなところで最適化されている。

Keychron Q3 Max QMK/VIA ワイヤレス カスタムメカニカルキーボードの構造
Q3 Maxの内部構造

特徴はなんといっても採用しているスイッチで、一般的にはメカニカルスイッチ(=物理接点でON OFF)が採用されているところを、本機は磁気スイッチを採用している。この磁気スイッチがかなりのシロモノで、このキーボードをゲーミングキーボードとしてオススメできる一因になっている。

ちなみに本機で採用されているのはGateron製のNebulaスイッチだ。

押下圧40g~60gのリニアスイッチ。磁気スイッチのためアクチュエーションポイントの変更とラピッドトリガーに対応している。

磁気スイッチとは?

磁気スイッチは物理的な接点でON OFFしているわけではなく、基盤でキーがどれだけ近づいたかを検知するシステムをとっているためスイッチとしての信頼性が高い。(そもそもメカニカルの時点で寿命が来るまで使う人はいないだろうけどね。)

なぜ信頼性が高いかというと、物理的な接点を持つものは必ず接触部が摩耗する。もちろん摩耗耐性は十分に高く、一般用途ではキーが全く反応しなくなることは滅多に起きないがそれでもチャタリング(=キーが複数回勝手に反応する)が発生したり反応が悪くなることはある。

Gateronホームページより

ということは物理接点がなければ摩耗しない=信頼性が高いということ。
そしてその物理接点がないスイッチはまさしく“磁気スイッチ”なのだ。
(光学スイッチなども存在するが、あまり普及していない。キースイッチメーカーの数なども考えると磁気スイッチ一強だ。)

また、この磁気スイッチはゲーミングキーボードでも採用されていて、そのカスタマイズ性からまさしく未来のキーボード(キースイッチ)になっている。

無論、今回紹介するKeychron Q3 HEも“未来のキーボード”にふさわしい出来になっている。

ゲーム用高級キーボードの決定版

まずこの高級感。写真では伝わりづらいが、フレームはすべて金属製でかなりの重厚感がある。というか実際に重い。(1.5kgくらい)

キーの精度もかなり高く、打鍵時のブレを感じない。打鍵感、音も良い。
Keychronのキーボードはスタビライザーを使用しているキー(幅が大きいキー)の打鍵音が悪いという話を聞くが、私の個体では感じられなかった。

誰にオススメか

正直このキーボードは万人に薦められない。

ひろくオススメできるためには、コスパがいいことはもちろんだがそもそもコストがある程度低い必要がある。パフォーマンスが良ければコストが高くてもいいと考えている人はとっっっっても少ないから。

それに磁気スイッチを搭載したキーボードは様々なメーカーから発売されていて、金額も2万円程度から選べる。

結局、Keychron Q Maxをベースとしてる本機はキースイッチだけではなくケースの高級感や打鍵感につよいこだわりを持って設計、製造されている。そういった単なる性能以外の官能的な部分に共感できる人には確信をもっておすすめできる。

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